浦安市  千葉から「ママチャリ」で甲子園

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千葉から「ママチャリ」で甲子園観戦旅 浦安南高元主将、5日間かけて約550キロ完走、話題に

熱い戦いを連日繰り広げる高校球児たちをひと目見ようと、自転車の「ママチャリ」で千葉県を出発し、甲子園球場にたどり着いた高校3年生が話題を呼んでいる。千葉から兵庫県西宮市までは直線距離で約550キロ。5日間かけて走り抜き、スタンドから声援を送り続けている。

この高校生は、今夏まで白球を追いかけていた浦安南高(千葉県浦安市)の野球部元主将、湯原諒さん(17)。同校は西千葉大会1回戦で私立の有力校を破ったものの、2回戦で涙をのんだ。夢の舞台だった甲子園での観戦を思い立った湯原さんは「新幹線よりも自転車で行く方がおもしろそうだ」と考えたという。

8月10日の朝、ママチャリの前後に着替えやテントをくくり付け、千葉を出発。国道1号や同246号を経由して神奈川、静岡、愛知の各県などを通過し、5日目の14日午後に甲子園に着いた。

途中、大雨や落雷に見舞われたり、タイヤがパンクしたりするハプニングに遭遇。道端で出会った見ず知らずの人がタイヤを直して助けてくれるなど、人の優しさに触れた。「楽しくて、引き返そうとは一度も思わなかった」

甲子園への無事到着をSNS(会員制交流サイト)に投稿して報告したところ「すごい」「感動した」などの声が多数寄せられた。「いろいろな人に支えられて生きていると実感した。出会った人たちに感謝したい」と湯原さん。

到着した14日は第3試合を観戦し、15日には第2試合に登場した東千葉代表の木更津総合高ナインを応援。湯原さんはオレンジ色のメガホンを手に、スタンドで躍動した。

「甲子園、めちゃめちゃ楽しいです。なにせ『初出場』なので」。額に巻いたハチマキに書かれた「ENJOY LIFE」を見事に体現した湯原さんは、決勝まで観戦し、千葉には自転車ではなくヒッチハイクなどで戻る予定という。

浦安南高は正規の部員不足で出場した15年前の県大会で、助っ人選手が二塁ベースを一塁から真っすぐ駆け抜け、タッチアウトで試合終了。このプレーの映像が動画投稿サイトで「ルールを知らない野球部員」として話題を集めた。もっとも今では部員も増え、着実に力を付けてきている。